I先輩の引き笑い

彼は私よりも笑い声が大きい。

なので、彼は本当に面白い時は引き笑いしている。

で、彼が私の見てないところで引き笑いしていたに違いない事件を記録しておく。

 

就職して間もない彼の家に泊まりに行った。

なんか、せせっこましくてあんまりよくないアパートだなと僕は感じている。

寝る前二人で、彼から私に送るべき書籍を選定する。

あ、そいや、お前、紅茶の空き缶使うとか言っていたよな。

うん、ペン立てに使うよ、じゃあ、入れとくね。

先輩、こんなにもらっていいんすか?

いや、本はためない主義だから。

少し驚くが、まあ、彼で驚くのは初めてではない。

朝起きて二人で宅急便屋に届ける。先輩は満足気。

・・・・・・

2週間後自宅にて、本はともかく、空き缶も閉まっとくかと手に取ると、

ずっしり。

え?どうして?中開けてみると、エロチラシが束にして入れてある。

その夜、電話にて

先輩、いたずらが過ぎますよ。

お前やっと気づいたのか(引き笑い(小))

お前ねてる間にあれ詰めるの大変だったんだから。

僕が言っている引き笑いは、夜中にチラシを、まるで鬼婆のように、ひっそりと紅茶缶に詰めている時の先輩の様子である。見なくても分かる。