G.Gould によるPartita No.6

バッハ:パルティータ全曲

バッハ:パルティータ全曲

もう20年前に買ったCDだ、そのさらに40年くらい前の録音である。
録音時期が各partitaごとに違うので、雰囲気が違うのだが、
よく知らないものには、No.6はGouldによるものに聞こえないはずだ。
大抵のピアニストが「叙情的に」演奏する曲を「対位法的に」演奏してきた彼だが、
この、No.6では、あれ程嫌っていたペダルを踏み、悲痛の念を伝えようとしている。
むしろこの方が彼らしいとも考える。
Partita No.6とGoldberg variationは彼にとって特別だったのかもしれない。
少なくとも私にとっては特別で、前者は解消しない悲しみであり、後者は苦しみに耐えた後の輝きを代理している。