数学と博打
- 作者: スタニスラスドゥアンヌ,Stanislas Dehaene,長谷川眞理子,小林哲生
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/07/01
- メディア: 単行本
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苦手な人にどう数学を説明するのが一番わかり易いか?
この本では色々書いているが、
ゲームと博打の話
が一番手っ取り早いということらしい。
そういえば、ゲーム理論や分数概念は兄と二人で一本のジュースを形の違う器に分けるときに分かっていたし、将棋やオセロの相手は散々やらされた。
読了後追記
数学の公理の抽象性と大抵の人の脳の持つ基本的感覚とを比べることをしている。
ペアノの公理は(所詮再帰性が含まれるとは思えないが)大抵の人の脳に自然に備わっているらしい。
ただ末尾では公理系が完成されないこと(明示されていないが不完全性定理のことであろう)と数学は人が作り出したものであるという点との関連は論証が曖昧である。
というより、別の話を同一の話としてしているように感じられる。
これは誰でも思うことだが、複素数が容易に受け入れられないのは、心理的数の根源である大小関係を失っているに他ならない。
そのことが全体を通しては読み取れるが明記されていない。
そういう意味では掛け算の可換性などは(多くの人にとって)生まれ持った感覚ではないので四元数などというのは複素数を理解している者にとっては大したハードルではないとも言える。