More Shimura

今読んでるのは

こちらである。
何か知りたいことがあって読み始めたというのでもない。
modular formの基本的なことを勉強するのに行き詰まったので、出張先で気晴らしに読み始めた。
この本も計算を追っているだけで楽しい。十分気晴らしになる。


伝統的にD_{a,N}^{k}(s),P_n(x)といった記号がよく使われているのを、多分単に印刷の都合でM,Eという記号に書き換えて計算している。
EはEulerによるらしいが、他では見たことがない。いやこちらは単なる書き換えではなくて、Pをずらしている。


ディリクレ級数関数の整数での値を計算することと、ディリクレの単数定理を合わせることで、類数の計算ができたりするのだが、そのあたりから、Basicな代数的整数論が必要になる。ここはこの本では省略してある。適当な本はたくさんある。
この本の付録で初めて超幾何関数に触れたが、初心者にも楽しい。(笑)


以下、誤記訂正と私のための注釈


p.27 l.5 the integral(4.5) → the integral (*) (誰が読んでも分かる)


p.31 l.3 \sum^{N-1}_{a=1}\chi(a)M^{k}_{a,N}(s)とあるが、sがどの範囲か表記していない。後にs=0と限定するのだが、この時点では\sum^{N}_{a=1}\chi(a)M^{k}_{a,N}(s)としておいて、問題ない。
訂正の訂正:\chi(N)=0であることを忘れて読んでいた。そのままでよい。Mの収束性は気をつける必要がある。


p.53 imaginary quadratic field Kに限定して話をしているのだが、何故かcomplex conjugate をKに制限したときに、\rhoという記号を導入している。一般の拡大に拡張しやすいからか、\mathbb{C}への埋め込みが二重にあることを意識しているのかは不明である。とりあえず、\tilde{\mathfrak{b}}^\rho\bar{\tilde{\mathfrak{b}}}なんて書いたのでは読めないので避けたのだろう。


p59 二三日悩んだ。\mathfrak{E}_2^N(z;0,0)が収束するわけがない!!(後になってこれ読むと恥ずかしい)
すぐ下に解説があった。sでずらして収束させて、s=0に解析接続しているらしい。
ここまで読んできているとnon-holomorphicなE_2が魅力的なのは了解しているし、ディリクレ級数でごちゃごちゃやったのと同じ手法が使えるのも私にも見当がつく。


p.64 下から6行目、du_1dv_1=y\cdot dudvとあるが、この時点ではdu_1dv_1=-y\cdot dudvが正しい。


p.133 l.15 employing (2.1h),…とあるが、employing (2.1h) and (2.12)と書くべき。半年前に検算した結果は忘れていて、しばらく悩むことになった。珍しく不親切なので書いておく。自力でできる人ならもちろん無用である。


p.133 l.26 \Re(s)>1+2/k\Re(s)>1-2/kが正しい。(これもただのミスタイプでしょう)