キャタピラーを聞きながら

気分は「機関車を見ながら」である。
先月来向かいの敷地のビルを潰している。土日祝日を問わず朝8時から工事開始である。道理でこのところ疲れていても早く目がさめるわけだ。
久々に家で昼間を過ごしていると、騒音は勿論、振動もひどい。


そういえばキャタピラーの音ってのは意識して聴いたことなかった。S.キューブリックの「フルメタルジャケット」では強調して使われていたので意識して聞くようになったらしい。あの映画はキャタピラー音を悲鳴にも似せて効果的に利用している。*1
芥川の前記の文章を思い出しながら、100年の時差を持った同一感がある。


そのビルは築30年程度と推定される。ぶっとい鉄骨とたっぷりのコンクリートが使われた豪華ビルのようだ。その周囲には築5年〜30年位のプレハブ建築ばかりが並んでいる様子を見るにつけ、

えらい効率悪いことやってるね。

と思わざるを得ない。それ程都会のわけでもないのに、まだ使えそうなビルを倒す。不動産の流動性の問題だとは思うが、日本人の土地信仰のせいかもしれない。

*1:映画自体はそれ程面白くない