デヴィッド・クローネンバーグ その2

また町山氏の本を読んでいる。

町山氏のクローネンバーグに対する思い入れは強いようだ、繰り返しも多いみたいだが、この本が一番まじめに書いているように思えたので、読むのを後回しにしていた。
冒頭しか読んでいないが、クローネンバーグの好きなものにオートバイ

「エンジンの美しさは美的センスからではなく、あくまで機能の追及から生み出されたものだ。そこに私は惹かれる」

とある。中学のころの僕そっくりだ。
そう、サスペンションやエンジンの美しさはカウルにMalboroて綺麗にペインティングしてある美しさなんか比較にならない。
世の中の人がファッションと呼んでいる洋服やアクセサリなんか比べる気も興らない。
だから、「羽」つけている車は未だに嫌いだ。
この辺りは宮崎駿なんかは当然そんな感じだとは思う。

ただ、歳を取って代わったのは人間を含めた動物や植物、花なんかも、同じ意味で美しいと感じられるようになったこと。
僕が花を見て
「綺麗だね」
ていうと、一緒にいる女性は
「無理にでも話をあわせてくれているのね。いや本当に綺麗って思っているのね」
とか、思ってくれているのだが、実はバイクのエンジンがカッコエ〜と思っているのとあんまり違わない。
数年進化論について学んだせいでもあるし、ただ歳をとったせいでもあるのだが、
「わ〜!きれえ〜〜!」
て、あれが本気かどうか分からないが、言っているのとはぜんぜん違う。

ダイヤの指輪はまあ、軽蔑の対象にしかならない。
デザインリングは何もしとらんとはいわんが、非常に稚拙なデザインのものばかりだ。